2.11.2010

それぞれの性(さが)



















みずみずしい花の時と同じように、
枯れていく花の姿に、はっと魅せられる時がある。


そのいのちには、
寒さにも、5cm先の日向にも、枯れていく事さえにも、
憂いを感じさせない。
一度根を下ろしたその場所で、じっと黙って生きている。
それ故植物は、
それぞれの瞬間に等しい重さをもち、
それぞれの瞬間に等しく美しいのだろう。


私はどうだろうか。
背負うものが重いといい、
そろそろ節々が痛いといい、
白髪が増える度にも、憂いを感じる。


もの言わず、ものを語る姿。
静かに笑って、それでよいのだと語っている気がする。