1.25.2006

ファティック、って何だろう



  「きれいね。」
  「そうだね、きれいだね。」

  「おいしい?」
  「うん、おいしいね。」

----ある教養番組。家にはテレビが無いので、熱の引き始めた子供と、
久しぶりにプロジェクターを繋いで番組を見た日のことだった。

  「こんな風に言葉を交わすように、ひとが「ことば」をもった起源は、
  ”共鳴しあいたい”というこの想いだったのではないかと言われて
  います。これを「ファティック」というのです。」

「うん、うん。。いい言葉だねーぇ。。。」
「ホントだねーぇ。」

わたしは「共鳴」という現象が、大好きだ。
だってほら、誰かが私に話をする。相手が表現しようとするその世界に
心を寄せ、同じ視線に立つと、自分も一緒になって笑ったり、怒ったり!

話をするとき、二種類の人が居るかな。
「そうだねー。」と、まず一緒に頷いてくれる人と、
「でもさ‥。」と、最初から否定的に話をする人。

どうせなら、共鳴しあいたい。
もしも「でもさ‥。」と言いたくても、まずは素直に、相手と共鳴したい。

それに何よりの幸せは、”共鳴し合いたい”と思える、相手が居ること。
うれしい。(* ^ _ ^ *)

1.13.2006

「地震を起こす日」



今日は、年に一度の「地震を起こす日」だという。

4年前に始まった、地震対策国家プロジェクト。場所は、神戸の震災公園の中。

巨大な実験室に入ると、そこには本物の6階建てビルがそびえていた。建物の下部には深い地下部があり、巨大な振動装置の一部が見えている。
これが、「地震によってどう倒壊するか」というデータをとるのが、「地震を起こす日」。
これにより建築物の安全性や、修復技術の指導マニュアルが作られるのだそうだ。

世界で唯一の、実験施設。

一体どんな苦労があっての上のプロジェクトだろう。。。
会場にはヘルメットをした社員をはじめ、あらゆる建築会社やテレビ局から人が集まり、見守っていた。

カウントダウン。社長さんが、建物で一番危ないのは、最下階部だよと説明をしてくれた。
緊張した空気の中、ゴゴゴという音。建物がこんにゃくのように揺れ始める。私は、恐怖だった。

地震大国、日本。
望むのは、こうしたデータを元に、しっかりとした構造の建物が設計されること。
そして工事現場の人たちこそが、その設計を理解し、守り、建築をしてくれること。古い建物の、補強をしてくれること。

ここでは同時に、豪雪地帯の家屋の構造実験もしているという。
震災で亡くなった神戸の人たちが、雪で埋もれて亡くなった人たちが、単なる人柱であってはならない。
懸命に働いて、働いて、家を建て、愛する家族を失いたくない。そんなの絶対絶対、許せない。

何が出来る?自分に。

家計簿をつける
重い税金に、ため息。

お願いです。この税金、
大切なところに使ってください。
使う時は、意識をして大切に使ってください。

家を建てられない人も、
災害で亡くなった人の家族も、
この税金、払っているのです。
「官」こそは、「民」の集合体。

1.11.2006

さわへ



昔、有楽町の古いカフェで彼女は言った。
”国家公務員の試験を受けようと思って。。。”
頑張り屋の”さわ”の、照れくさそうな笑顔が印象的だった。
-----後に、法務省に就職。
去年は女がてら係長に昇進、そして素敵な男性と結婚。

私の親友、島谷智子。(旧姓 澤井)

今日、私は彼女の大好きな日本酒を送ろうと、
ガレージで送付用のダンボールを探していた。
戻ってから、古いアドレスのメールをチェック。

ドクッ。
心臓が、音を立てて止まった気がした。

「亡くなりました」

ご主人からのメールに、目の前の海の景色が灰色になる。
”そんなばかな。。。そんなばかな!”
だって先月、生まれたばかりの子供を抱えて実家から家に戻った、って。。。
赤ちゃんが笑うようになった、って!!

さわ、さわ‥‥。
そこに居ないの?

1.07.2006

世のためひとのため



研究者の多くは、暗い。(I agree.)


科学の学会の多くが、週末や休日に重なるのは、一体何故なのだろう。

主催者は何故、休日を使うのか。
参加者は何故、文句を言わないのか。

私なんて、平凡な国民だから、こう思ってしまう。

研究者って、休日に彼氏や彼女と遊ばないの?
友達と遊ばないの?
家族と一緒にいたいと、思わないの?
きっと、暗い人が多いのよね。。。

「なんていい天気なんだろう!」
「いい休日のはずだったのに。。。すまんな。」

主人はコンピュータと着替えの詰まったカバンを持って、新幹線の改札を入った。
「いってらっしゃーい!(T_T)/~~~」
直ぐに、子供たちが笑った。
「きゃははー!おとうさん、おかしい!」
「。。。?」
行ったと思ったのに、
おどけた顔が、駅の柱から出たり引っ込んだり。(* ^ _ ^ *)
手を振った後にいつも沈んでしまう子供たちを、想ってのことだろう。

「これは必ず、たくさんの人のためになるよ。」
主人の夢は、私の夢だ。
主人の姿勢は、私の誇りだ。
でもその「世のひと」のために、正直、私たち家族はいつも寂しい。

”いってらっしゃい。がんばって。。。”

街は、3連休の賑わいだ。