2.28.2006

人生にも旬があるとしたら


あったか〜い。春、春よ!
今朝は気持ちよく資源ごみを出し、廃品回収ポスターをご近所にペタペタ。
(地方では自分達で回収もやると知った私)そして、近所のおばちゃんを畑で発見!

おばちゃんは、猟師の嫁として村に来るまで、
大型トラックの長距離運転手だったそうだ。
でも今ではもう、足腰も痛そう。
それでも毎日、バケツ何倍もの魚を捌いては干し、
お客さんが牡蠣を欲しいといえば港から手で網を引っ張り上げ、
家の酒屋を切り盛りしながら、畑も作る。これぞ、スーパーウーマン。

「おはよーございまーす!」
「おはよーう、持ってく〜?!」
「うーん!!」
わーい、わーい。もう宝石みたいなきらきら野菜がいーっぱい!

食卓の「旬」は、出てきては消えていく。
でも最近、人生の「旬」なんてものを考える。

生まれてから、どこからか「旬の始まり」があって、
そしていつか、次の世代に何かを手渡す頃に、「終わり旬」がやってくる。
肉体的に若い頃ではなく、経験や知恵を積んでやってくる、「人生の中の、旬」。

この、おばちゃんの、笑顔。
なんて、きれい。

その人がどんな生き方をしてきたのかは、
白髪やしわ混じりの笑顔にでてくるものなんだ。。。
旬の、笑顔。

わたし、まだまだ青い!

2.27.2006

真 (しん)


彼は大農家の末子として生まれた為、学校を卒業後、よそに出された。
幼少のときから片目に見てきた、長男長女に注がれた愛情。
「いつも寂しかったんだ。」ぽろっと、こぼした事があった。
でもその彼が、両親のことを話す時‥いつも手を合わせるように、話す。
両親の生活を支え、そして側に居るときは、
その手を開いて差し出し、優しくエスコートをする。

「性格」
そうはうまく表現しきれないのが「性格」だとしたら、
ひとにとって「性格」は、不器用さや、未熟さ、寂しさがつくる、「外環」でしかないのだろう。
誰でも持っている、ある種の、ちいさなたわみ‥。
私も、こうしたたわみを持っている。

性格という外環の、中心にあるのは、「真」。
甘えん坊の彼の、真。

側でみていると、「わたしもこうなりたい」と、そう、思う。 

ねずみは名前を覚える


「もっくー。」
そう呼ぶと、ハムスターのもっくは寄って来る。

“ねずみ。。。”

実を言うと、当初はこれ程愛情を感じる生き物だとは思っていませんでした。(ごめんなさい!)
今やもっくがケージに入っているのは、眠っている時とお留守番の時だけ。
家中のマッピングを覚えて、ちゃんと居場所を作っています。
おしっこも決まった場所でします。

マウスの実験をテレビで見たことはあったけど、まさか本当に学習するなんて。。。
小さなひげを機敏に動かしながら、あっちモソモソ、こっちピョコピョコ。

踏みそうになって、「もっくー!」と叫ぶと、ちっちゃな手を胸に、二本立ちで振り向きます。
「なに?」。。。とでも言っているのかなぁ。
手のひらにぽっこり乗る、もっく。抱きしめられないのが、ちょっと残念です。

2.23.2006

大人こそ、成長をしなくちゃ


有樹(ゆな)は、春に小学校6年生。
今でも昨日のことのように思い出す。。。
ピンクのカーテンから漏れる薄明かりの中で、この子を初めて抱いた瞬間。

その子が、「おかあさん、私、受験したい。」
おいおい。。。。

私の小学校の時とは、時代が違う。有樹は既に思春期だ。
体が変化をし、同時にこころも不安定に傾けだす。
それが昔よりも早い年齢で迎えるからこそ、
昔よりもずっと、「根っこ」作りが大事だとも思う。
まだ無垢な心を揺蕩しながら、自分でそう決心したのだろうが。。。

植物と付き合っていると、一見の地上部の大きさよりも、根っこが大事だと知る。
害虫、気温、水分といった環境変化にもたくましく育ち、丈夫さや実りに差が出る。

今、有樹の根っこ作りには、もっともっとたくさんの遊びの時間が必要だと思っていた。
受験、ねぇ。。。

大変だよーぉ、有樹ぁ。
宿題だけでもがんじがらめになるのに、遊べなくなっちゃうよ。。。

一人でせっせと、受験用の参考書を進めていく有樹。
おかあさんは、有樹にどんな土壌を作ってあげればいいのかなぁ。
唯一、おかあさんがしてあげられること。。。。。
わたしもゆっくり、根を伸ばそう。

2.15.2006

母の味方は娘






若き日のバレンタインは、愛の告白。
人生二幕目のバレンタインは、旦那様への、かわらぬ愛の告白。

「お父さんにチョコレートを作らなくて、一体誰に作るのよ!ねぇ。」と、
側によってきた娘と、一緒に笑った。
カカオ含有量の高いクーベルチュールを、
口でなめらかに解けるように、丁寧に、作る。
バレンタインは、もうらうだけじゃない。作る方の幸せもある。

今年は14日に忙しくて渡せなかったチョコを、
翌朝出張に出ようとする主人に、急いで渡した。
結婚すると、隠れて作るのが大変なんだもの。
とっておきの包装紙と、リボン。
「はい。。。」
ちょっと、照れる。

ところが、
主人ったら、「持って回れないから、置いてきた!」

「。。。。。」(状況判断不可能)
「。。。。。。。」(めまい)
出張の間中も、新幹線の改札口に迎えに行っても、
私はちーっとも笑えない。

”おばさんになっても、女の子の気持ちはデリケートなんだからっ。”

昨日。娘が買い物をしたいと言うので、家族で出かけた。
街は、ホワイトデー一色。フクザツなわたし。。。
娘が笑って、父親に言った。
「ホワイトデーは、とっておきのプレゼントをしなくちゃね!」

母の味方は、娘である。
えーん。(笑)
このことは、80歳になっても言ってやるんだから。

2.07.2006

春よこい


ここは温暖な瀬戸内海沿い。
でも職場は、丁度瀬戸内と日本海の真ん中、山の中。
自宅から真北へ32キロ、35分。
峠道を越え、国道を越えて又山道。
トンネルを越えれば、銀世界。
雲海、雪景色、スターダスト!
それはそれは、言葉では表し難い静かな世界。

近年、瀬戸内でも雪がよく降る。
そういえば小学校の頃は、ランニングとブルマーで鎌倉を作ったっけなぁ。
家族の往復の道を思うと、心配でおろおろもする。
なのに、雪が降るといつも、ドキドキするのは何故だろう。

「春よこい」
親友から、優しいメールが届いた。
我が家のハーブガーデンでも、春の息吹を感じる。
自然の美しさも、人のあたたかさも、
同じように胸を透くものだな。

「花が咲かぬ寒い日にゃ、下へ下へと根を伸ばせ」
誰かが、いっていた。