5.30.2009

蕗の煮物
















「好き嫌いしないで、食べなさい!」
小さい頃は、怒られても怒られても嫌だった。

だって、くさいんだもの。

今、そんな私が蕗を煮る。
ふふふふ、っと、笑ってしまう。
ガーデンの日陰で育つ山蕗、
この季節、最も柔らかで、香りもよい。

「昔はなぁ、俺も大嫌いだったぁ~!」
笑うのは主人。
「それがさぁ、毎日毎日お弁当に入ってるんだよ!
 しかも煮汁がこぼれてな~、
 お陰でカバンを開ければ蕗のにおい、教科書には蕗のしみ!
 忘れもしない、ガロアの複素数のページがぁああ~!!」

蕗には、実山椒。
毎年3時間かけ、娘達と実と枝をわける。
極みの白しょうゆで、品のよい緑色に煮含める。
「私達は大好きだよ!」
「ね~!」
子供達は、目を合わせて笑う。