ところが…え?え?…通過するうどん屋さん、閉店してるよ~?!
まだ3時だよ…ね?
辿り着いたうどん屋さん
机上に綺麗にひっくり返された椅子が並ぶ店内。
おそるおそる…団欒中の店員さんに聞いてみます。
「もう終わりですか?」 「終わりです~!」 「あぁ…(絶望的)」
聞けばうどんは、地元の人達にとって朝食か昼食。
どのお店も昼過ぎには終わっちゃうのだそうです。(涙)
「あの…このお店の次においしいうどん屋さん、ありませんか?」
店員さんたちが、あの店は?…こっちは?と相談してくれる。
その問いに別の男性、「あかん」「そこもあかん」と。
うどんへの強いこだわりを感じる応答。(キビシ~(><))
暫くして。。。
「よぉし、作ったる!中へどうぞ!」
「……ふぇ?(。・_・。) ……えっ?え~~?!w(*・o・*)w」
まさかの出来事。
そして店員さんたちの明るい笑顔と、
”中へ”と誘導する手の動きの気持ちよさ。
最初は”まさかとんでもない”と言った私も、
一瞬で散るように稼動した店員さんの動きに
思わず車中の家族に手を振りました。
「たっ、食べさせてくれるってー!!」
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鍋に火を入れ、うどんを打ち出す店長の高田さん。(え~今から?) |
「待ってな~今ほんまのうどん食べさせてやるから!」
「(うんっ!)調子よすぎっ」
聞こえてくるのは、力強く打つ音と、整った息遣い。
それに引き換え生地からは、
麺棒で打ち返すときの音しか聞こえません。
静かに、人のエネルギーを吸収する生地。
うどんはその分だけ、コシを強くするのだろうか。。。
丸い生地はあっという間に大きく伸ばされ、整然とした麺に。
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(左) 白い放物線を描きながら、うどんが次々に釜に入れられる。 (右) あっと驚く、大きな大きな手。巨大どんぶりが小さく見える。 |
ほんまもんの讃岐の食べ方は、「釜茹で」だという。
通常は茹でてから冷水で洗うが、これはしない。
どんぶりに、白いうどんと白い蒸気が鍋の湯ごと入る。
「はいよ!」
「うわーーー、おどんぶり熱いよ熱いよ!」 「いただきま-す!!」
はふはふとする湯気の中、箸にずしりとかかるうどん。
気もせいで喉を通したうどんに、
……一瞬無言、、、「開眼・状態」
これ程迄にコシのあるうどんを、食べたことがあっただろうか。。。
つややかに湯気の中で光る麺、
強く伸びる餅に匹敵する、弾力。
つるり、口の中で麺が踊るような喉越しと、
跳ね返すような歯切れのよさ。
「美味しい!!」
何もつけずに食べれば、小麦の香りと甘みで口が飽和し、
つゆにくぐらせれば、出汁は麺に負けじと絡み、鰹と醤油が香しい。
(しかも…どんぶりのお湯、どうして最後まで白く濁らず透明なの?)
「これも食べてみて!」
「うわ~ぁ、冷たいザルうどん!」
キンと冷えた麺の弾力は更に閉まり、香りもそのまま。
うえ~ん、「泣ける」ほどおいしい!!!!
添えられた氷の屈折光が、
切り口の角張った麺に、そのまま映っています。
おかしいなぁ、今まで、煌びやかな宣伝のNET店のうどんも、
人気の有名店のうどんも、沢山沢山食べてきたのに。。。
(実は) 食べきれないと思った量が、つるりとおなかに入りました。
(当然) 小食の私が、人生で最も大量に食べた日となりました。(笑)
閉店後のこのこと来た客に、嫌な顔一つせずうどんを打った店。
「(うどんの)学校を出た奴は、大会で勝てない」
…店長のこんな深い言葉にも、
仲のよいスタッフの連携プレイにも、
彼らの大切なものを、「粋」のこころと一緒に感じた日。
御馳走様と出た店は、明かりを夜の帳に灯していました。
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「ほんま屋生麺」 ~一杯のうどんを食べに行く価値が、この店にあります~ 〒763-0071 香川県丸亀市田村町1488-14 電話 0877-22-1498 |
ほんま屋の皆さん、本当にありがとうございました!!