3.16.2010
天からの雫
雨
上がり。ふわり春の朝は、柔らかな土の香りと、甘い梅の香り。
雨粒はまんまるの玉に反転の世界を閉じ込め、きらきらと眩しい。
ジ
ョウロからどんなに水をあげても、かけた水はするりと葉を
伝い落ちてしまう。こんなにいっぱいの雫なんて出来ない。
なのに自然に降る雨だけは、花の上で幾つもの水晶玉となりいのち長らえる。
天
からの、雫。暫ししか留めない、儚いいのち。
だからこんなにもそっと、そっと、愛し気に抱いているのだろうか。
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