6.19.2009

チョコファッションと、セピアな記憶

私は母子家庭で育った
母は、早朝4時出社、
15時~16時に帰宅し、21時には寝た
細く弱い体で、仕事はあまりに重労働だった
私は、中学時代からバイト尽くし
だから、普段母と接触をすることもなかった
何度か、チョコのかかったドーナツが机においてあった
1/3強の大きさに切って、
私と妹、ふたつのお皿に乗っていた
母は、もらったお茶菓子をその場で食べず、
いつもこうして、ひとつのお菓子を3等分した

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十代から私は、六本木のディスコへ通うようになっていた
顔パスで入って踊り放題、飲み放題、食べ放題
社会人になって、職場から直行でチャリがない時は、
閉店後、同じ店で始発を待ったけ
その時間帯
店では丁度、オールドファッションが焼きあがる










私は、ようやく知る
私が食べたあのドーナツ
母は、チョコの部分をふたつに切り分け、
自分はチョコを食べていなかったんだ

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私の歳は、当時の母と同じ世代になった
昨日、母と長電話
今、チョコファッションを食べるたびに思い出す
なのに、このお礼をまだ言えていない
ありがとう、と